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一行は階段を上りB1Fへ。
上がった先は小さな部屋で、やはり荒れ果てた様子が広がっている。
「いきなり二手に分かれているね、どうする?」
蘭が出口の先を指差しで言う。
「あたしちょっとハチの手当てするわねぇ。何気にこいつ酷いっぽいし」
「我慢マーックス!」
思いっきり八葉の頭をはたきながらミツルがいう。
「おっけ、じゃぁ俺と蘭でそこら見てくっからよ。ちっと休んどけ」
そういって小林は蘭を促した。
「無理しないようにね」
「やばかったらいつでも呼べよー!全力で駆けつけるからな!」
見送る二人に手を振って、小林と蘭は部屋を出て行った。
『B1F探索』
部屋を出てすぐにある隣の部屋で、二人は壊れた配電盤を見つけていた。
ゴーストたちが壊したのか、それとも人が来なくなったせいでメンテナンスがされていないのか。
比較的原形をとどめていたひとつを、丹念に小林は調べている。
「お、こりゃいけんじゃねーか?」
ごそごそと長ランの懐から道具を取り出す。
「何でそんなところに工具が?」
苦笑しながら蘭がたずねた。
「決まってんだろ。クリスティーナの手いれがいつでもどこでもできるようにだ!」
「成る程。それで、どうです?」
誇らしげに言い放った小林に尋ねたとほぼ同時に、
「蘭、後ろだ!」
小林の切迫した声をきいて蘭が振り返る。視線の先には雅鎖螺が巨大な手を振り上げているところだった。
とっさに身を翻して攻撃をよける。
詠唱兵器を起動するやいなや、7連装ガトリングガンが火を吹いた。
「ふう・・・助かりました」
「いや、わりぃ。ちっと警戒が足んなかったな」
「じゃぁ俺が周囲をみます。小林サンは修理、できそうですか?」
蘭の問いに小林は胸をたたいて請け負った。
「あー腐食してやがる。そっちのパーツは・・・・お、使えんじゃねぇか。よしよし、もうすぐ直っからなー」
上機嫌で次々と配線をつなぎ直していく小林を横目に、蘭は周囲を警戒している。
すると、ファンの回る音と作動音が聞こえ始めた。
「これで少しは電力がでるはずだぜ」
「さすが小林サン。じゃぁ戻りましょうか」
おう、と短く答えて二人は八葉たちがいる階段の小部屋へと戻っていった。
~ ~ ~
「このバカ、手首捻挫してんの。ホントバカじゃないの、あんた」
「いや、いってーなーとは思ったけどさー。我慢できたし大丈夫かなーって」
「いや、それは大丈夫とは言わないと思うよ、ハチサン」
「まぁしばらく無理すんな。俺と蘭でもなんとかなるしな」
体中に包帯を巻かれた八葉を中心にして、4人はもう一方の通路を進んでいく。
すると、すぐに上り階段を見つけることができた。
「どうします?」と蘭
「上ったほうがいいんじゃねーか?ハチも結構やベーだろ」
「いけるいける!」
「あんたは黙ってなさい」
こうして多数決によってB1Fの探索を切り上げ、4人は階段を上っていった。
『1F探索』
ようやく戻ってきた1Fは、ここへ来たときとはまったく様子が異なっている。
4人は再び二手に分かれ、探索をしたのだが、
「おっかしーなー。出口なくねー?」と、通路の奥から八葉の大声。
「変な作りよねぇ。出口、2つあるのかしら」
ミツルも首をかしげる。
「スイッチがあるね。押してみるよ」
蘭がスイッチを押すと・・・
「お、壁が動いたぜ。さっきの直しといてよかっ・・・・・・もしかして、生姜入り紅茶買えんじゃねぇか?」
小林はダッシュで入り口脇の自販機へと向かう。
廃墟にもかかわらず、きっちりお金を出そうとしているのがいかにも小林らしい。
「買えるには買えた。まったり茶、生姜入り紅茶、レモンティー・・・超ハツラツ炭酸全力マックス?なんだこりゃ」
生姜入り紅茶を手元に残して、残りを配る。
ただ、一様に皆手を出そうとしない。
いつのものか分からないからだ。大体電源が落ちていたこともあり、微妙にぬるい。
プルトップをあける小気味のいい音が聞こえ、みながそちらを向くと、
「・・・・くっはーーーーーーーーー!すげーーーーー!何この炭酸すげーーーーーー!俺全力すげーーーーー!」
なぜか怪我が治った八葉が飛び跳ねている。たぶん常人では不可能ではあるのだが。
「バカって便利よね」
「便利だよな」
「便利だね」
3人は一斉にため息をついて、それぞれの飲み物を口にした。
ちなみに、小林が飲んだ生姜入り紅茶は驚くほどまずかったそうだ。
『2F探索』
階が上がるにつれ、内部の荒れ方は尋常ではなくなってきている。
壁には何かをつきたてたような大穴がいくつもあいていた。
迷い込んだ誰かのものだろうか。床にはところどころ血痕とおぼしき黒い染みがいくつもついている。
少し歩いたところですぐに上り階段を見つけることはできた。
だが、階段がある小部屋の内部はさんさんたる有様になっているのがみえる。
見えるだけでゴーストの数は10を超えている。
中には厄介なリリスの姿も伺えた。
「すげー数だなー。つっこむ?」
「少しは考えて物言いなさいよハチ。あんただけならまだしもこっちは普通の人間なんだからね!」
「そっか!そりゃそうだな!」
もちろん、ほめられたと勘違いしている。
「蘭、玖凪。こっからブラストヴォイスで狙えっか?」
様子を伺いながら小林が尋ねる。
「大丈夫、いけるよ」
「オッケー。任せて!」
2人が攻撃態勢に入ると、
「ハチ、お前はこっちに向かった奴を食い止めろ。いいな、一匹も通すなよ」
「まーかさーれたー!」
八葉は前傾姿勢をとっていつでも突撃ができるように構えている。
「「ブラストヴォイス!!」」
蘭とミツルの声が響きわたった。
互いに増幅された声は共振を伴ってゴーストの群れの不意をつく。
それと同時に、
「ぶっ飛べコラァ!バレットレイン!」
小林の腕から発射された魔力の弾がさらに降り注ぐ。
3人が次の行動を取れるまでのわずかな間に、動きのすばやい剣オオカミがこちらに走りよってくるのを八葉が叩き落している。
「玖凪サン、援護をお願いします」
「オラオラオラオラァ!」
蘭と小林も八葉に続く。
蘭の7連装ガトリングガンが蛇女を撃ち抜き、
八葉の拳がアリイノシシをふきとばし、
小林のバス停が雅鎖羅を両断する。
怪我を負ったものは即座にミツルが回復することで、3人は怒涛の勢いで小部屋に踊りこんでいく。
いつの間にか小部屋の中にはリリスが1体残っているだけとなっていた。
小部屋までに通路には十数体のゴーストの死骸が散らばり、消えている。
残っているのは鎧讐少女。
素肌に鎧をまとったそのリリスは無邪気な微笑みをたたえたまま、腕と一体化している蛇の口から伸びる刀を構えた。
「どいてもらおう!」
蘭のガトリングガンが火を吹いた。
八葉もまた走り出す。
「怪我するんじゃないわよぅ、ハチ」
ミツルの白燐奏甲が八葉の身体を包み込む。
「全開!ダァーーッシュパーーーァンチ!」
走りこんだ勢いそのままに、身体ごとたたきつけるパンチが鎧讐少女の刀を難なく折った。
刀がなくなったとはいえ、蛇は健在である。
八葉の身体に噛み付こうとした蛇は、身体を包む白燐の光によってさえぎられていた。
いつしか鎧讐少女の笑みは引きつった表情へと変わっていた。
「お前らでもこええのか? しらねーな!あの世で後悔してろや!」
小林の捻りに捻った上半身がバス停を文字通り、ぶん回した。
「何こばやん今の!一撃じゃん!あれか!「逆転小林大ホームラン」だな!」
「変な名前つけんじゃねぇ・・・!玖凪、こいつ任せた」
「いやよぅ。疲れるんだもの」
「でもハチサンの言うとおり、アレはホームラン打てそうでしたよ、小林サン」
そんな会話を残してゴーストのいなくなった小部屋を後にし、4人は再び階段を上っていくのだった。
ご意見ご感想お待ちしております。
苦情は受付ねーからな!
とハチがいってました。
ハチがいってました。
次はラスト、ボス戦です。
ガンバレ体育館裏ーズ!
・・・やっぱだっせーなこの名前
見えなくもなかったりしますが、きっと
ハチセンパイの「らぶびじょん」故ですね!
ゴーストタウンの様子を思い出しながら
読んでると、更に臨場感があっていいです!
皆さんの容赦ないツッコミにもニヤリと
させられてます。
…生姜入り紅茶、ちょっと飲んでみたい…。
「ハチの視点からみたGTの記憶」
が元になっています。
なのでハチから見たミツルは
何重にも重ねられたハチフィルター(ポジティブ)によって捻じ曲げられて、こうなります。
バカのポジティブってすごいよね。
続き、がんばります。イチゴはメイン4人(ハチ、ミツル、こばやん、斑予定)+体育館裏面子のスポット出演でいこうかなとか思ったりしてますので乞うご期待。スンマセン嘘です。>ミツル
一応、書くときはGTのマップ開いたりして書いてるので、構造とかはそのままのはず!
でもたまに都合のいいように捻じ曲げられるのが世界結界の力の偉大さだね!
イチゴでは謎の着ぐるみが襲来するかも。
乞うご期待!スイマセン、嘘かもしれません。>奏
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